こんにちは。しいたけです。
情報機器やガジェットは、コンテンツや使い方次第で、私たちに多種多様な体験をもたらします。 新たな楽しい体験をつくるには、機械から人への情報の伝達、つまり五感への作用が重要な要素になります。 近年、私は「ガジェットで五感をHackする」というテーマで、様々な機器を集め、 組み合わせることで新たな体験が創出できないか模索しています。
この記事では、そんな試行錯誤の一端を紹介します。
空間音響 × モーショントラッキング
空間音響は、実空間や仮想空間の聴こえ方を再現でき、従来のステレオやサラウンドなどの再生方式よりも幅広い表現が可能です。私は空間音響とXR機器を組み合わせ、ユーザのモーションに連動してスピーカの挙動を制御するシステムを製作しています。そのシステムによって、新たな表現が可能であると発見しました。今後は、空間音響や、それとモーション操作の組み合わせによって、どのような娯楽を創出できるか模索する予定です。
”覗き窓”を広げる
情報端末の表示部は、端末の中で行われていることを人間が視るための言わば”覗き窓”のような存在だと思っています。この覗き窓を広げる、つまりより広い表示領域を得ることが、情報端末の利活用にどのような影響を与えるか興味があり、大画面や空間コンピューティングを試しています。
力を錯覚させる
ある時、振動アクチュエータに偏った波形の信号を流すことで、あたかも一方向に押されるように感じるという内容の論文を見つけました。それを実際に体験したいと考え、即座に部品と機材を買い揃え、振動アクチュエータによる力覚を体験できるプロトタイプシステムを実装しました。手に振動アクチュエータを持ち、適切な信号を流すと確かに押されるような感覚があり、無意識に手が動きました。振動アクチュエータはただ振動による表現をするだけではなく、人間の挙動に作用できる可能性があります。これをモーション操作のゲームと組み合わせることで、新たな体験を実現できないかと考えています。
香りと音で、よりコンテンツに没入できる空気感をつくる
既存のVR機器は、立体視対応の全天球映像により、高い臨場感を得られます。もし、VRに視覚以外の刺激を追加すると没入感はどう変わるのでしょうか。VR機器に空間音響対応の5.2.4chホームシアターシステムを接続し、コンテンツに近いイメージのルームフレグランスを置き、音と香りによって没入感への変化を探ります。
番外編:音声信号によってコーヒーの味を変える
通常は数時間かかる水出しコーヒーの抽出を、超音波の振動を用いて3分以内に短縮する研究があります。それを参考にして、振動アクチュエータを用いたコーヒー抽出システムを実装しました。このシステムによるコーヒーの抽出を試す過程で、振動アクチュエータに流す音声信号によってコーヒーの味が変わることを発見しました。今後は、音声信号とコーヒーの味の関係性を調査する予定です。
おわりに
ものづくりにおいて、機能性や有用性は大事な要素であり、それをおろそかにはできません。 しかし、客観的な価値だけでなく、使う人がどのような体験を得られるかという点にも注目したいです。
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It makes me smile, when I see it.