ErgoGridGo2 ビルドガイド

自作キーボードキット「ErgoGridGo2」のビルドガイドです。

 

目次

 

はじめに

キットをご購入いただいた方、お買い上げありがとうございます。 学外でのキット頒布は初めてなので、至らぬ点があると思います。 不備やわからないことがあれば遠慮なくお問い合わせください。

 

注意事項

本キットはご購入者様がご自分で組み立てるキットです。 極めて簡単に組み立てられるように設計しておりますが、必ず組み立てる前にこのビルドガイドをご確認ください。 疑問点があれば、必ず組み立てる前に設計者まで問い合わせてください。取り返しのつかないミスをする前に確認することが大事です。

 

キット内容物一覧

内容物に不足や不良があれば、設計者までご連絡ください。

品目 必要数 内容量
PCB 1枚 1枚
ボトムプレート 1枚 1枚
トッププレート(ロゴあり) 1枚 1枚
トッププレート(ロゴ無し) 1枚 1枚
Pro Micro 1個 1個
コンスルー 2個 2個
ダイオード 54本 60本
ネジ 32個 32本
4mmスペーサー 12個 14個
7mmスペーサー 3個 4個
リセットスイッチ 1個 1個
TRRSジャック 1個 1個
ゴム足 任意 6個

v1.0 基板のみをご購入の方は、パーツリストをご確認ください。

 

キット以外で必要なもの

品目 必要数
キースイッチ 54個
1Uキーキャップ 54個
USBケーブル(マイコンボードとPCを接続するもの) 1本

 

キースイッチ

本キットは以下のキースイッチにのみ対応しております。ご購入時にお間違えの無いよう、よくお確かめください。

  • Kailh Choc v1
  • Kailh Choc v2
  • Cherry MX 互換

キーキャップ

ErgoGridGoはすべてのキーが一番小さい単位の1uというサイズのキーで構成されるため、一般的なキーキャップセットでは印字を一致させることは出来ません。キーキャップセットで足りないところを無刻印のキーキャップで補うと良いかもしれません。

※Kailh Choc v2スイッチはMXキーキャップを取付できますが、一部のキーキャップと干渉し上手くはまらない可能性があります。

 

(オプション)無線化に必要なパーツ

商品ページへの外部リンクがあります。品目をクリックすると商品ページへ移動します。

品目 必要量
BLE micro pro 1
単4電池ボックス 2
スライドスイッチ 1
M3 6mmスペーサー 3

 

必要な工具

必須

  • はんだごて
  • 精密ドライバー
  • ペンチ

無線化する場合は必須

  • ラジオペンチ
  • 硬い針金を切断可能な工具
  • マスキングテープ

あると便利

  • ピンセット
  • ダイオードベンダー
  • マスキングテープ
  • 電動精密ドライバー

 

組み立て

本キットには部品の取付順序があります。間違えると大変苦労しますので、十分ご注意ください。

 

はんだ付け① TRRSジャック

まず最初にTRRSジャックを取り付けます。キースイッチ取り付け後にTRRSジャックを取り付けるのは難しいので、必ず最初に取り付けてください。TRRSジャックがずれたり浮いたりすると、ボトムプレートと干渉しますので、しっかりと差し込んでください。

 

はんだ付け② タクトスイッチ

PCBの裏側上部、[RESET]と書かれた所にリセット用タクトスイッチを取り付けます。裏表を間違えると他の部品と干渉しますので、よくご確認ください。裏から差し込んだ後、表面からはんだ付けします。

 

基板にコンスルーを差し込む

この段階では差し込むだけです。まだはんだ付けはしないでください。

コンスルーの向き

コンスルーには向きがあります。コンスルーは片方の側面に金色の部材が見える窓があります。この窓は若干片方のピンに寄っています。窓から遠い側のピンをPCBに、近い側のピンをマイコンボードに差します。この時、2つのコンスルーの窓がある面が必ず同じ方向に向くように差さないと、正常に導通せず動作不良を引き起こします。ご注意ください。

(オプション)BLE micro proを使用する場合

BLE micro proを用いる場合は、画像のように左上の黒く縁どられたピンにかかるようにコンスルーを差してください。

PCBにコンスルーピンを差したら、そこにBLE micro proを取り付けます。本キットでは、BLE micro proの部品実装面を上にして取り付けます。

Pro microを使用する場合

キット同梱のPro microを用いる場合は、画像のように左上のピン1つを避けるようにコンスルーを差してください。

PCBにコンスルーピンを差したら、そこにPro microを取り付けます。本キットでは、Pro microの部品実装面を上にして取り付けます。

 

はんだ付け③ Pro microとコンスルー

はんだ付けするのはコンスルーとPro microだけです。コンスルーとPCBは着脱できるように、PCB側はんだ付けしないでください。

※ BLE micro proの場合は、PCB側もマイコン側もはんだ付け不要です。

 

はんだ付け④ ダイオード

ダイオードの足を曲げる

ダイオードの足を差込口の幅に合わせて曲げます。ダイオードベンダーがあると効率的に曲げられるのでおすすめです。

ダイオードの向きを揃えて挿入する

PCBの裏面からダイオードを差し込みます。 ダイオードには向きがあり、間違えると隣接するキーが動作しなくなるなどの不具合を生じます。向きは上図の通りです。

PCB表面にて、ダイオードの足を広げておくと抜けにくくなり、安定してはんだ付けできます。

ダイオードのはんだ付け

PCB裏面からはんだ付けすると、汚れが表面に付かないため仕上がりが綺麗になります。

ダイオードの足を切る

PCB表面にはみ出たダイオードの足を、ペンチなどで切り落としましょう。この時、PCBの配線を傷つけないよう慎重に行ってください。

 

はんだ付け⑤ キースイッチ

PCB表面からキースイッチを差し、裏面に出たピンをはんだ付けします。

本キットは低価格化のために、キースイッチを固定するスイッチプレートが無い仕様となっております。そのため、キースイッチがずれたり浮いたりします。はんだ付けする前にマスキングテープ等でキースイッチを止めるのも良いかもしれません。

まずは四隅のキーをはんだ付けすると、その後の取り付けが安定して行えます。

54キー全てはんだ付けしましょう。これにてはんだ付けは終了です(無線化の工程を除く)。

 

ネジ止め① 7mmスペーサー

PCB表面の、マイコンボード周囲3ヶ所に長い方のスペーサーをネジ止めしてください。

BLE micro proを使用する場合は、6mmスペーサー(キットには同梱しておりません)を使用することを推奨します。

 

ネジ止め② トッププレート

先ほど取り付けたスペーサーに、トッププレートをネジ止めしてください。トッププレートはロゴありとロゴなしの2種類ありますが、機能に差はありませんので、お好きな方をお選びください。

 

ネジ止め③ 4mmスペーサー

ミドルプレートが無い場合

ボトムプレートの各ネジ穴に、4mmスペーサーをネジ止めしてください。ボトムプレートの表裏をお間違えの無いようよく確認してください。

ミドルプレート(未発売)がある場合

まず、ミドルプレートの六角形の穴に4mmスペーサーをはめてください。次に、4mmスペーサーとボトムプレートをネジ止めしてください。

 

ネジ止め④ 最終工程

ボトムプレートに取り付けた4mmスペーサーを、PCBにネジ止めします。

 

(オプション)はんだ付け⑥ 無線化に必要なパーツ

電源スライドスイッチ

PCB裏面からスライドスイッチを差し込みます。スライドスイッチのつまみが外側を向くように差してください。

PCBから少しでもスライドスイッチが浮くと、ボトムプレートと干渉してしまうギリギリの設計となっております。浮かないようにマスキングテープなどで押さえましょう。

PCB表面からはんだ付けします。

 

電池ボックス

電池ボックスのピンを画像の向きにラジオペンチで曲げます。ピンが硬いので、ラジオペンチが無いと難しいです。電池ボックスのピンはねじる方向の力に弱く、ねじると根本から折れてしまいます。力のかけ方には気を付けましょう。

電池ボックスのピンをPCB表面から差し込み、裏面ではんだ付けします。PCBから電池ボックスが浮くと見た目が良くないので、マスキングテープなどで仮止めすると良いかもしれません。

はみ出したピンはペンチで切断しましょう。

 

キーキャップの取り付け

キーマップに応じた配列で、キーキャップを取り付けます。軸を折らないようにお気を付けください。

これにて組み立て完了です。お疲れ様でした!

 

ファームウェアの書き込み

本キットではファームウェアをマイコンボードに書き込む必要があります。ファームウェアの書き込みやキーマップの設定についてはErgoGridGo2 ユーザガイドをご覧ください。

 

終わりに

完成したErgoGridGo2の写真をSNS等に投稿していただけると嬉しいです。ハッシュタグは #ErgoGridGo2 でお願いします。

 

ご連絡先

不備やご質問等ございましたらキットの外袋に記載の連絡先までご連絡ください。



ガジェットで五感をHackする

こんにちは。しいたけです。 情報機器やガジェットは、コンテンツや使い方次第で、私たちに多種多様な体験をもたらします。 新たな楽しい体験をつくるには、機械から人への情報の伝達、つまり五感への作用が重要な要素になります。 近年、私は「ガジェットで五感をHackする」というテーマで、様々な機器を集め、 組み合わせることで新たな体験が創出できないか模索しています。 この記事では、そんな試行錯誤の一端を紹介します。 空間音響 × モーショントラッキング 空間音響は、実空間や仮想空間の聴こえ方を再現でき、従来のステレオやサラウンドなどの再生方式よりも幅広い表現が可能です。私は空間音響とXR機器を組み合わせ、ユーザのモーションに連動してスピーカの挙動を制御するシステムを製作しています。そのシステムによって、新たな表現が可能であると発見しました。今後は、空間音響や、それとモーション操作の組み合わせによって、どのような娯楽を創出できるか模索する予定です。 ”覗き窓”を広げる 情報端末の表示部は、端末の中で行われていることを人間が視るための言わば”覗き窓”のような存在だと思っています。この覗き窓を広げる、つまりより広い表示領域を得ることが、情報端末の利活用にどのような影響を与えるか興味があり、大画面や空間コンピューティングを試しています。 力を錯覚させる ある時、振動アクチュエータに偏った波形の信号を流すことで、あたかも一方向に押されるように感じるという内容の論文を見つけました。それを実際に体験したいと考え、即座に部品と機材を買い揃え、振動アクチュエータによる力覚を体験できるプロトタイプシステムを実装しました。手に振動アクチュエータを持ち、適切な信号を流すと確かに押されるような感覚があり、無意識に手が動きました。振動アクチュエータはただ振動による表現をするだけではなく、人間の挙動に作用できる可能性があります。これをモーション操作のゲームと組み合わせることで、新たな体験を実現できないかと考えています。 香りと音で、よりコンテンツに没入できる空気感をつくる 既存のVR機器は、立体視対応の全天球映像により、高い臨場感を得られます。もし、VRに視覚以外の刺激を追加すると没入感はどう変わるのでしょうか。VR機器に空間音響対応の5.2.4chホームシアターシステムを接続し、コンテンツに近いイメージのルームフレグランスを置き、音と香りによって没入感への変化を探ります。 番外編:音声信号によってコーヒーの味を変える 通常は数時間かかる水出しコーヒーの抽出を、超音波の振動を用いて3分以内に短縮する研究があります。それを参考にして、振動アクチュエータを用いたコーヒー抽出システムを実装しました。このシステムによるコーヒーの抽出を試す過程で、振動アクチュエータに流す音声信号によってコーヒーの味が変わることを発見しました。今後は、音声信号とコーヒーの味の関係性を調査する予定です。 おわりに ものづくりにおいて、機能性や有用性は大事な要素であり、それをおろそかにはできません。 しかし、客観的な価値だけでなく、使う人がどのような体験を得られるかという点にも注目したいです。

製作に関わったミニゲーム

こんにちは。しいたけです。 この記事では、私が製作に関わったミニゲームを紹介します。 Unityを用いたゲーム製作 Grapple Rush ワイヤーアクションで宙を舞うスナイパー 空中をハイスピードで駆けながら、相手を狙撃する対戦シューティングゲームです。最大8人のオンライン対戦に対応。 サークル内のハッカソンにて製作し、3名で3週間かけて開発しました。 担当箇所:ゲーム原案、バランス調整 ガチャパンジャン ガチャを回して、パンジャンドラムを回して、世界をかき回す ランダムで排出される車輪から2つ選んでパンジャンドラムを作り、それを転がして建物などを薙ぎ払った数を競うゲーム。 Unity 1week ゲームジャムに向けて、学生2名社会人2名で製作しました。その時のテーマ「回」から連想した「ガチャ」と「パンジャンドラム」を組み合わせました。 担当箇所:パンジャンドラムのモーション その他 振るフラッピーバード キャラクターの高度を調整して、進路を阻む障害物を避けるミニゲームをArduino Unoで再現。 子供向けの縁日のようなイベントに出展するために製作したため、子供が好きな動きの代表例として「振る」を操作に採用しました。 イベント当日は大盛況で繰り返し遊ぶ子供が後を絶たず、想定以上に激しく振り回された装置が分解してしまう場面も…。 風で速さを感じるVRレースゲーム レースゲームにおける車両の速さに連動して、スマートリモコンを介して扇風機を制御するシステムを実装しました。 Vic Field カードゲームと将棋のようなボードゲームを組み合わせた、対戦型戦略シミュレーションです。 1対1で、相手の拠点を破壊したら勝ち。兵士を配置して進軍しつつ、防壁や地雷を配置し敵の進路を阻む、攻防の匙加減がカギを握ります。

キーボードマーケット 2025 予告

パッと(P)一緒に(i)ものづくり!(m) みなさんこんにちは。島根大学ものづくり部Pimです! 2025/3/22(土)に開催予定のキーボードマーケットのスペースE-7にて、「島根大学ものづくり部Pim」として出展します! この記事は、頒布や展示する物品の案をチラ見せする予告編です! 頒布物の草案 ※ 最終更新日:3/15(土) ※ 記事更新時点では未確定の頒布物があります。間に合い次第更新していきますので、続報をお待ちください。 【自作キーボードキット】ErgoGridGo2 学生が授業などで持ち歩くという想定の、コンパクトな自作キーボードキットです。 指の長さに合わせたカラムスタッガード配列と、左右どちらの手からもアクセスしやすい中央に配置されたテンキーが特徴です。数字行を減らしてコンパクトにしたため、持ち歩きに最適です。 Kailhロープロファイルキースイッチに加え、Cherry MX互換キースイッチにも対応しています。 特徴 RemapやVialなどのキーマップ変更ツールに対応 Kailhロープロファイルキースイッチ(Choc v1キースイッチ、Choc v2キースイッチ)に対応 Cherry MX互換キースイッチにも対応 スイッチプレートが無いなど低価格化を徹底 プレートのカラーは白と黒の2色展開 マイコンボードを覆うプレートはロゴありとロゴなしの2種類を同梱 BLE micro proと単4電池ボックスを用いた無線化に対応 頒布予定 旧ver 基板のみ 3000円 現行ver フルキット 白/黒 各9000円 【基板のみ】Reversibel Tastatur こちらはものづくり部Pimの新入生が設計に初挑戦したものです。今回のキーケットでは基板のみ頒布します。 左右分割キーボードを見せると、「左側だけ欲しい」と言われることの、何と多いことか…。 そんな声に答えた、片手用のマクロパッドです。リバーシブルな基板なので、右手用か左手用か選んで作ることができます。 2台組み合わせると左右分割キーボードとして使用できます。